ニュージーランド出張2014 その2 アタマイビレッジ


最初の目的地は南島ネルソン地区のモツエカです。「ニュージーランド発、日本人栽培醸造家がプロデュースするパーマカルチャービレッジワイン」=『アタマイビレッジワインズ』の訪問です。リンカーン大学の醸造学科を首席(!!)で卒業した小山浩平氏が手掛けるワインで、10月から日本の正規代理店として扱わせてもらいます。ネルソン空港からは車で1時間ほどの距離。念願のアタマイビレッジです。



到着早々、アタマイビレッジとヴィンヤードを見学してまわりました。風景から最初に連想したのはまさに『日本の里山』。アタマイビレッジの運営は、「パーマカルチャー」の考えに基づいて行われているそうです。「パーマカルチャー」は日本古来の「里山」で実践されてきた生活様式から生み出され、その目的は自然と共存し資源の循環を行う永続的な暮らしを実現する事です。




ビレッジでは現在約20世帯が生活をしていました。飲み水は雨水を3度濾過するだけで飲めてしまうと言うのだから驚きです。最大50世帯まで入る事の出来るビレッジで、まもなく敷地内にシュタイナー学校が移転してくるそう。浩平さんがビレッジ内でワイン造りをするように、住人はそれぞれの得意分野で果樹園、牧畜、野菜畑などを世話します。野菜が欲しければ野菜畑でお仕事の手伝いをする。将来的にはビレッジ内の通貨や電力も自給出来る仕組みを検討しているそう。とても穏やかな表情の住人が多く、幸せのあり方を考えさせられてしまうビレッジでした。

ところでアタマイビレッジのヴィンヤードは非常に珍しい土壌です。花崗岩砂礫と呼ばれ、鉱物要素由来のミネラルに富んだ土壌です。(下の写真の真ん中の白い部分は花崗岩砂礫の層が露出しています。)



この上に粘土質の土壌が重なります。そして何よりネルソンで最大斜度のヴィンヤードでは機械を入れる事が不可能ですべて手作業での仕事になります。今後アタマイビレッジのヴィンヤードが浩平さんの手でどう洗練されていくのか、とても楽しみでなりません。

醸造中のワインも見せて頂きました。醸造設備はまだ自前で所有していないので、近所のワイナリーに貸してもらっているそうです。ネルソンでは比較的規模の大きいカフランギエステートの一角を借りてワイン醸造を行っていました。ソーヴィニヨンブランとピノグリを試飲しました。まろやかさを大切にしたいという浩平さんの醸造は澱との接触が長く、非常にコクのあるものでした。まだまだワインになる前の状態での試飲経験が少ないので、この状態でコメントする語彙が足りないのですが、楽しみなワインである事は間違いないという感触です。今年の10月にリリース予定のワインの原型に触れる事が出来てとてもよい経験でした。


リースリングの収穫にも参加させてもらいました。山梨で収穫を体験した事はあったのですが、ニュージーランドでは初めて。多くのボランティアスタッフも集まっていました。雨により品質が基準に達しない葡萄は収穫前に選別されてしまいました。この作業を目の前で見ると非常に勿体ないですが、品質に対してのこだわりを強く感じます。


収量は落ちてしまいましたが、スタッフの皆さんはテキパキと収穫をこなしていました。朝からの収穫作業が終るとスタッフみんなで打ち上げ。ビレッジ内でのバーベキューパーティーです。サニーネルソンらしい晴天に恵まれ、貴重な体験をさせて頂きました。




日本で楽しみにしてくれている皆様にしっかりご紹介出来るよう頑張らねばなりません。


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